那賀町で特産の木頭ゆずの加工品を製造販売している「黄金の村」のサバの缶詰が人気だ。健康増進や美容に効果があるとしてサバ缶が全国的にブームになる中、木頭地区ならではのユズを使った味付けが好評で、販売数は前年同期比で約3倍に急増している。
黄金の村のサバ缶は「国産寒さば木頭ゆず味噌(みそ)煮」「国産寒さば木頭ゆず水煮」(いずれも190グラム入り税込み464円)、「国産寒さばきとうゆずしおオリーブオイルづけ」(100グラム入り税込み421円)の3種類。
千葉県沖で取れた脂ののった寒サバが使われており、ユズの風味でさっぱりと食べられる。ユズの皮を器にしてユズ果肉とサバの切り身、みそを一緒に煮ることでサバの臭みを消す木頭地区の伝統料理「ゆずみそ」をヒントに開発された。
販売数は昨年4月の発売直後は毎月3000缶ほどだったが、テレビ番組でサバに含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)が動脈硬化予防などに効果があると紹介された後の今年1月ごろから注文が急増。現在は3商品それぞれ毎月約1万缶が売れている。
東京の百貨店をはじめ全国で販売されており、県内ではキョーエイ各店やイオンモール徳島などで購入できる。6月18日から8月末までは日本郵政グループのカタログ通信販売「ふるさと小包」で、ゆずサイダーやゆずゼリーと共に注文できる。
同社は「サバ缶ブームの中で全国でも珍しいユズ風味が受けたと考えられるが、予想以上の売れ行きで驚いている。サバ缶をきっかけに、木頭ゆずのおいしさを県内外の人にもっと知ってもらいたい」と期待している。