野外フェスについて語る佐藤タイジさん=徳島新聞社

 太陽光発電で運営に必要な全電力を賄う音楽フェス「ソーラーブドウカン」が徳島で初めて開かれる。2013年から開いている岐阜県中津川市では3万人以上を動員する一大イベントとなっており、徳島の魅力発信や経済効果につながることも期待される。提案者の佐藤タイジさんにイベントに込めた思いを聞いた。

 -イベントを始めた経緯は

 2011年の東日本大震災がきっかけ。その年は念願だった武道館ライブを行う予定だったが、震災でそれどころではなくなった。でも夢は捨てきれず、ライブの電源を全て太陽光発電で賄う考えが浮かんだ。何のつてもない中、アイデアを発表すると、「協力したい」と賛同者が続々と集まった。

 -なぜ太陽光発電に着目したのか

 原発がなくても相当な電力を生み出せることを示し、脱原発を訴えたかった。食の安全が一目で分かるように、イベント会場で販売する食べ物には放射線量を表示する。民衆運動のつもりで運営している。

 -故郷徳島で開催することになった

 ずっと何かやりたかった。知人から提案され、やるなら「ソーラーブドウカン」を開きたいと思った。活気が失われつつある徳島の活性化に協力したいと考えていたから。

 -今後の展開は

 ずっと続けられるイベントにしたい。今年は初めてなので入場無料にした。毎年人数を増やして大きなイベントに育て、阿波踊りなど徳島の素晴らしい歴史や文化を発信できる場にしていきたい。