難聴を抱えながら、喫茶店を新たに始めた西野さん=徳島市蔵本町2の「おもてなし喫茶りら」

 難聴を抱えながら、徳島市蔵本町2の蔵本駅前で婦人服店「りら」を営む西野美代子さん(60)が、店舗を改装して喫茶スペースを設けた。新たな分野への挑戦に「障害の有無に関係なく、老若男女が集える場所にしたい」と意気込んでいる。
 
 約70平方メートルあった婦人服売り場の半分を改装し、「おもてなし喫茶りら」として3月にオープンした。カウンター席6席のこぢんまりとしたスペースで、近くの商店主や地域住民らが訪れ、リラックスしたひとときを過ごしている。
 
 毎週火曜日には、さまざまなテーマについて語り合う茶話会「わくわく友の会倶楽部(くらぶ)」も催す。なじみ客が三々五々立ち寄っては、趣味の話題などについておしゃべりの花を咲かせ、地域のサロン的な場所になりつつある。
 
 西野さんは35歳の時に、ストレスなどが原因とされる難病「メニエール病」を発症し、難聴になった。ふさぎ込んだ時期もあったが、現在は明るく仕事に励んでいる。
 
 こうした経験から「おしゃべりして、ストレスを発散してもらえるような場所を提供したい」と、喫茶店の開業を思い立った。
 
 難聴を抱えての接客は容易ではなく、意思疎通がうまくできずに客が怒って帰ったこともある。それでも西野さんは、わずかに聞こえる耳と唇の動きを読み取る「読話」や、身ぶり手ぶりなど全身を使ったコミュニケーションで、一人で2店を切り盛りしている。
 
 西野さんは「地域のコミュニティーをつくりたかった。気軽に立ち寄ってほしい」と話している。