徳島県議会6月定例会が11日、開会した。骨格編成の2015年度一般会計当初予算を肉付けする補正予算案(400億8100万円、累計額4809億6900万円)など20議案を上程し、4月の改選後、初めての定例会に臨んだ飯泉嘉門知事が所信表明した。知事は60年の県人口について「65万人超を目指す」と述べ、人口減少を克服し地域経済の活性化を図る地方創生の実現に強い意欲を示した。16日に本会議を再開し、代表・一般質問に入る。会期は7月3日まで。
 
 4月1日時点の県人口は75万9千人。政府は日本の人口に関する長期ビジョンで60年の「1億人程度」を目標に掲げている。県人口は約60万人となる計算だが、県は5日に示した「人口ビジョン」案で、政府目標を上回る「60万~65万人超」とした。知事はこの目標達成について「県民が夢と希望を持てる未来像として、自然増、社会増の両面から積極果敢に挑戦する」と意欲を見せた。
 
 15~19年度に取り組む具体策を盛り込んだ「県版総合戦略」案に掲げた▽20年時点の転入・転出者数の均衡▽4千人の雇用創出-などの実現に向け、移住・交流人口の増加策や育児環境の整備を加速する考えを示した。
 
 補正予算案に関しては、骨格編成の当初予算を加えた通年予算として、前年度を0・7%上回る6年連続の増額編成となった点を説明。「14年度2月追加補正(23億円)と合わせ、『とくしま地方創生・元年』予算とした。取り組みをもう一段高い次元へと進化させる」と語った。
 
 行財政改革では、県債残高や公債費の縮減などに努めた成果を強調。15年度は、テレワーク推進による新しい働き方の創造や公共施設の長寿命化などの取り組みを加えた、新たな行財政改革の基本方針を策定するとした。
 
 今後4年間の県政運営指針となる新行動計画については、会期中に追加提案し議決を求める方針を示した。
 
 県提出議案のうち、阿波西高野球部員の死亡事故をめぐる損害賠償請求訴訟の上告提起について先議し、共産(3人)を除く賛成多数で可決した。県は12日に上告する。