サンテグジュペリの「星の王子さま」は、金言がちりばめられた作品として愛されている。冒頭部分にあるくだりもそう。<おとなはだれもはじめは子どもだった。(しかし、そのことを忘れずにいるおとなは、いくらもいない)>内藤濯(あろう)訳

 王子はいくつかの星を訪ねて回る。体面ばかり気にする王様の星、うぬぼれ屋の星、酒飲みの星・・・。目の当たりにしたのは愚かな大人たちの姿。大人の意味を考えることは、物語の主題の一つだ

 <おとなってほんとに変なもの>と王子。天体周遊をした当時は何歳だったか。このたびの法改正法に従ったなら、くだんの言葉は出なかったかも

 成人年齢を20歳から18歳に引き下げる改正民法が成立した。大人になる年齢が2022年4月から変わる。146年ぶりの大改革である

 保護者の同意がなくても、携帯電話の購入や雇用などの契約を結んだり、ローンを組んだりできる。高校3年生で背負う自己責任としては、なかなか重い。相応の知識を習得しておく必要はあろう。さりとて過度に心配することはない

 星の王子さまで最も有名なせりふは<心で見なくちゃ、よく見えてこない。肝心なことは目には見えないんだ>。自分になぜそう見えるのかを探る、つまり「よく思案する」ことが大切だと伝えている。大丈夫。高3なら十分対応できる。