徳島県南部での競技スポーツや生涯スポーツの拠点整備を図るため、県は阿南市桑野町の県南部健康運動公園に陸上競技場を整備する。県の2015年度一般会計補正予算案に設計費3210万円を盛り込んだ。20年東京五輪・パラリンピック開催までに完成させ、各種大会の開催誘致や競技力向上につなげる。
陸上競技場は、JAアグリあなんスタジアム北側に整備する。全天候型トラックとし、フィールドには芝生を張るなど日本陸上競技連盟の公認競技場を目指す。更衣室やトイレなどを備えた管理棟も設ける予定で、15年度中に主要部分の設計を行う。
大規模災害時には広域応援部隊の野営地として活用するため、非常用電源や照明設備も整備する。
県都市計画課によると、県内で全天候型トラックを備えた陸上競技場は、鳴門市の鳴門ポカリスエットスタジアム(サブグラウンドを含む)と徳島市の市陸上競技場の2カ所。スポーツ団体などからは、県南部での早期整備を求める声が上がっていた。
昨年、県議会に早期着工を求める請願を提出した徳島陸上競技協会の卯木英司会長は「長年の悲願だった。中高生らの陸上競技のレベルアップが期待できる」と喜んだ。
県都市計画課は「競技スポーツや生涯スポーツの振興とともに、災害に備えた県土強靱化の推進にもつながる」としている。