13日正午すぎ、阿南市富岡町あ王谷の住民から市に「山の方で地響きがして土煙が上がっている」と通報があった。連絡を受けた阿南署員らが現場に駆け付けると、約430年前の戦国時代に建てられたとされる景徳寺(木造平屋約160平方メートル)が倒壊していた。署は老朽化が原因とみている。
寺は完全に崩れていたため、市消防署のレスキュー隊員が、下敷きになっている人がいないかを熱感知センサーなどを使って2時間余り捜索したが、誰も発見できなかった。
景徳寺は地元で前山と呼ばれている山の中腹にある。篠原寛海住職(68)=同町滝の下=によると、阿南市の牛岐城主だった新開氏が1580年代に建立したという。
寺は1960年ごろから無人となり、住職が年に数回訪れて除草など寺の周りの手入れをしていた。近年は廃屋のようになり、住職も2年前から中に入っていなかった。
篠原住職は「車が入れないため、改修ができなかった。今後については檀家と相談して決めたい」と話している。
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