放送大学徳島学習センター(徳島市新蔵町2)の2015年度1学期(4~9月)の入学者は254人で、前年同期比32・3%増と急増した。国が幼稚園教諭免許を取りやすくする特例を4月に設けたのに伴い、放送大学が免許を取得できる保育士対象の特例講座を新設。これが免許取得を目指す現役保育士らの入学を呼び込む要因となった。伸び率は、全国50カ所の学習センターの中で最大となった。
徳島学習センターの入学者のうち、特例講座の受講者は62人。女性が61人で、30、40代が45人と70%以上を占めた。インターネットやテレビ、ラジオで受講できるため、昼間は仕事で忙しい現役保育士らに受け入れられたようだ。
国は、幼稚園と保育所の機能を併せ持つ幼保連携型の認定こども園の普及を図っている。幼保連携型の認定こども園では、幼稚園教諭免許と保育士資格の両方を持つ保育教諭が必要となるため、実務経験3年以上の保育士と幼稚園教諭を対象に、免許や資格取得に必要な履修科目数を軽減する特例(19年度まで)を設けた。
放送大学の特例講座はこれに対応したもので、徳島学習センターは「キャリアアップを目指す保育士らの受け皿にもなっているのではないか」とみる。きらら保育園(松茂町)保育士の佐野さくらさん(32)=鳴門市撫養町=は「休日や夜間など時間を選んで学習できるのが、放送大学の魅力」と話す。
県内に幼保連携型の認定こども園は、徳島市や那賀町など7市町に13施設あり、今後も増加が予想される。大西徳生センター所長は「幼保一元化という社会的ニーズに応えていきたい」と話している。