三好市は、西祖谷山村善徳の「祖谷のかずら橋」周辺の観光振興に向けた整備構想をまとめた。近隣の観光地を紹介する散策マップの作製やアクセスの改善などを行い、観光客の増加につなげる。
構想では、観光客に地域を周遊してもらうよう、周辺のかずら橋キャンプ村や、祖谷開拓の祖とされる恵伊羅御子(えいらみこ)の墓、かずら橋山草園などを案内するマップを作る。
アクセス面は、イベント広場・かずら橋夢舞台からかずら橋まで約200メートルの市道(幅員5メートル)が急勾配のため、歩行者用通路の整備を検討する。混雑時には通行車両に一方通行などの交通規制を行う。
また、かずら橋を支えている4本の杉に近年、樹勢の衰えが見られることから、雨水が土壌に染み込むのを妨げている周辺道路に透水性舗装を施す。
かずら橋の通行客数は、2014年度が30万1193人。高速道路の「休日千円」効果で09年度には39万1097人が訪れたが、以降は30万~33万人台にとどまっている。
市は14年度、学識経験者や観光団体の代表らでつくる整備構想検討委員会を設け、構想を練ってきた。今後、地域住民との検討組織を立ち上げ、住民の意見を踏まえた具体策を作る。
市観光課は「年間40万人の通行客数を目指す。東祖谷の落合集落や奥祖谷二重かずら橋への集客にもつなげたい」としている。