徳島県教委が耐震改修工事を行った国登録有形文化財の城北高校人形会館(徳島市北田宮4)の完成を祝う人形浄瑠璃の記念公演が17日、同所であり、120人が熱演に見入った。

 式典の後、城北高民芸部の16人が「寿二人三番叟(さんばそう)」を上演。三味線や鼓の音色に合わせ、人形の袖を振ったり、顔を扇で隠したりする巧みな人形さばきを見せ、会場から大きな拍手が送られた。同校OBで三好市出身の人形遣い勘緑さんと、その一座「木偶舎(もくぐうしゃ)」も出演し「傾城阿波の鳴門 順礼歌の段」を情感たっぷりに演じた。

 民芸部部長で2年の岸明瑠音さん(16)は「会館が新しくなったので、もっとうまくなれるよう練習を頑張りたい」と話した。

 1965年に建てられた会館(木造平屋282平方メートル)は県内で唯一、学校に併設された本格的な芝居小屋で、舞台や太夫座、畳敷きの升席などを備える。昨年11月から耐震改修に取り掛かっていた。