徳島の不名誉な三大統計を挙げるとすれば、まず筆頭は「糖尿病による死亡率」。さらに「汚水処理施設の普及率」「県内宿泊者数」で、恐らく衆目が一致するのではなかろうか。全国ワーストが常態化している
糖尿病死亡率は、一昨年までの3年にわたりワーストを脱していた。昨年、よもやの残念な”復帰“である。数値が改善した上での結果ならまだしも、死者数は前年より4割近く増加。10万人当たりの死亡率は5・6ポイント増の19・8人、過去最大だった
徳島特産のスダチの果皮は、抗糖尿病の成分を含む。藍の葉には血糖値を下げる効果のあることが、最近分かった。予防効果を期待できる食材がこうも身近にあるのに、芳しくないのはなぜか
全国ワーストが12年連続となった2005年、県は緊急事態宣言を出した。医師会などと連携して、野菜の摂取促進やウオーキング推進といった予防啓発を繰り広げてきた。阿波踊り体操の普及もその一環だ
再ワーストの結果はこれまでの手法に課題があることを示していよう。このほど緊急対策に乗り出したが、過去の活動を入念に点検する必要がある
もはや「ワーストを逆手にとり、医療観光ツアーを」などと悠長に言っている場合ではない。ひょっとして、知事の口から医療観光の話題が最近とんと聞かれないのは、そのためか。