徳島市出身の作家で僧侶の瀬戸内寂聴さん(96)が17日、京都市の寂庵で法話の会を開いた。95歳で出した句集が賞を取ったことを例に「人は死ぬまで何が起こるか分からない。諦めては駄目」と、全国から集まった160人を勇気づけた。
寂聴さんは昨年、初の句集「ひとり」を「出版社に迷惑を掛けられない」と自費出版したところ予想以上に売れ、今年2月に星野立子賞を受けたことを紹介。「この年になって俳句で褒められるとは夢にも思わなかった。死ぬまでにもう1冊句集を出して、お葬式に来てくれた人にあげようと思っている」と笑顔を見せた。
秘書の瀬尾まなほさん(30)が寂聴さんとの日々をつづった本にも触れ「まなほは、いろんなテレビに出て講演もこなし、今やスター。人にはどんな才能が潜んでいるか分からない」として、希望を捨てないよう説いた。