国交省から事務と権限の移譲を受けたつるぎ町が運営するコミュニティーバス=つるぎ町貞光

国交省から事務と権限の移譲を受けたつるぎ町が運営するコミュニティーバス=つるぎ町貞光

 つるぎ町は、町営コミュニティーバス(コミバス)の運行について、路線変更を国土交通省に申請せず行えるよう、同省から権限移譲を受けた。四国の自治体で初めて。路線変更の手続きに要する期間が1カ月ほど短縮される。

 運行路線の変更にはこれまで、四国運輸局徳島運輸支局に申請文書を提出し、許可を受ける必要があった。手続きは長ければ約1カ月かかることもあった。国交省は、市町村が住民の足として運営している「自家用自動車による有償運送」の事務や監督業務について、4月から権限移譲を進め、つるぎ町など希望する全国の11自治体に移管した。

 町は、民間業者の路線バス事業撤退を受けて、2013年4月からコミバス事業を本格的に始めた。10人乗り乗用車5台を使い、貞光駅と一宇、半田両地区を6往復(土日祝と年末年始は3往復)する主路線と、貞光、一宇、半田各地区の山間部と町中心部とを結んで平日に各1往復する3路線を運行している。14年度は、延べ1万8579人(1日平均51・3人)が利用した。

 利用者は多くが高齢者。福祉施設に入所するなどして利用しなくなったり、運転免許証を返納して新たに利用を始めたりした場合は、路線の見直しを行ってきた。これまでの路線変更は4路線で9回に上る。

 町まちづくり戦略課の武田康弘課長は「住民のニーズに応じて臨機応変に運営し、利便性を高めたい」と話した。