起こらないように。そう願っているのに、起きてしまう。大地震はいつも不意打ちだ。週明けの午前7時58分ごろ、震度6弱の揺れが大阪府を襲った
通い慣れた道、学校へと続く道。そんな道々も一変させた。高槻市では小学4年生の女児が、倒れたプールのブロック塀に巻き込まれ、命を奪われた
9歳。ほんのわずかな時間でもずれていれば。これから広がっていたはずの将来を思うと、胸がふさがる。突然、起きたことを容易に消化できる人などいまい
大阪市東淀川区、ここでもブロック塀が倒れた。下敷きになり、亡くなった80歳の男性は、登校児童の見守り活動を続けていた。温かく声を掛けながら・・・。地域の「ともしび」だったに違いない。地震は「善意」をも打ち砕く。どこで起きても不思議ではない
最近、千葉県ではマグニチュード(M)4・0以上の地震が相次いでいる。房総半島沖で、プレート同士が地中の境界でゆっくり滑る現象「スロースリップ」という言葉を耳にする。おととい、群馬県渋川市では震度5弱を観測したばかりだ
明日のことは分からない。誰も願っていないことが起きるかもしれない。不安は尽きないが、対策を怠ってはなるまい。危険なブロック塀がないか。自宅は安全か。備えは十分か。悲しみを繰り返さないために、できることは早く。