ゆらゆらと気味の悪い揺れに、徳島県内でも身構えた人が多かったのではないか。

 きのう、大阪府北部を震源地とするマグニチュード(M)6・1の地震が起き、大阪市や枚方市などで震度6弱を記録した。

 強い揺れで塀が倒壊するなどして、死傷者が出ている。

 高槻市では、小学校のプールのブロック塀が道路側に倒れ、下敷きになった小学4年生の女児が亡くなった。痛ましい限りである。

 国や自治体、消防など関係機関は、負傷者の救護はもちろん、身動きができなくなっている1人暮らしのお年寄りがいないか、安否の確認を急いでもらいたい。

 鉄道などの運行に影響が出たほか、水道管の破裂や断水も起きている。ライフラインの復旧に、全力を挙げなければならない。

 今回の地震は震源の深さが約13キロと浅い「直下型」で、震源の近くには「有馬-高槻断層帯」がある。

 気象庁は地震との関連について解析を進めるが、約1週間は最大6弱程度の地震に注意するよう呼び掛けている。厳重な警戒が必要だ。

 徳島県内でも徳島市で震度3を記録するなど、地震は身近に感じられた。

 近い将来の発生が懸念される南海トラフ巨大地震との関連が気になるが、気象庁は「今回の地震の震源地や地震の規模を考えると、直接影響を与えるとは考えにくい」との見方を示した。

 南海地震は本県に甚大な被害をもたらすと予想され、日ごろからの備えが大切だ。津波からの避難経路も確保しておくことが重要だ。

 高槻市で、女児が犠牲になったことは、県内でもあちこちで見られるブロック塀の安全性について、改めて疑問を突き付けた。

 安倍晋三首相は通学路にあるブロック塀対策などについて「人命第一の考え方の下に議論したい」と述べた。菅義偉官房長官が文部科学省に小中学校の通学路にあるブロック塀の安全点検を指示した。

 県内では、徳島大環境防災研究センター副センター長の上月康則教授が、大規模地震で倒壊の恐れがあるブロック塀の調査を進めている。これまでに「震度5強程度の揺れで損傷の可能性がある」と判定された塀も少なくない。

 津波から避難する際、塀が倒壊して道をふさげば、助かる人も助からなくなる。

 老朽化して危険な塀の撤去も含め、安全対策を講じるべきである。県内の自治体や関係機関は、塀の所有者らの啓発に力を入れてほしい。

 住宅の耐震化や家具の固定も進める必要がある。被害を最小限にとどめるためには、ソフト、ハード両面の対策が欠かせない。

 自治体や消防団、地域住民が一体となって避難訓練を重ね、お年寄りや子どもら災害弱者を守りたい。地域の防災力を高めていくことが大事である。