再生可能エネルギーや廃棄物の再利用、電気自動車の開発など環境ビジネス分野に特化した転職支援サービス「環境ビジネスキャリア」。運営する環境商社フジテックス(東京都)から2012年に事業の立ち上げを任され、今は事業部長として企業と転職希望者のマッチングに力を注ぐ。
利用者は、業界内でのキャリアアップを目指す幹部職、営業職を中心に1万人。「脱炭素化という社会貢献と経済成長を両立できる事業を、人材支援の面から育てていきたい」
城東高時代にラテン音楽にはまり、関西外語大ではスペイン語を専攻。南米を旅して回った。卒業後は在日ブラジル人向けの放送出版事業を手掛ける会社を振り出しに、人材関連企業やホテル支配人を経験。自ら会社を興したこともある。
「南米の自由な暮らしを間近で見てきたから、日本の会社文化に違和感を覚えた部分もあったかもしれません」。そんな中で出合った現在の職場。「自分らしく成長したいと思う人に伴走するのが自分の天職」と感じている。
10年に徳島市で食品スーパー「がんばりや」を営む叔父に頼み、籠屋町商店街への出店を手伝った。「街を元気に、と奮闘する商店街関係者やお客さまの励ましの声を聞き、自分が徳島のためにできることは何だろうと考えるようになりました」。商店街の若手経営者らでつくる「徳島スダチボーイズ」の活動に加わり、首都圏のイベントへの出店を手伝っている。
実家は阿南市のスダチ農家。ゆくゆくは継ぐことも考えているが、気がかりなのは世界的な気候変動が古里の農業に与えるダメージだ。「徳島の豊かな自然環境を守りたいという思いも、今の仕事のモチベーションになっています」。
いで・まさふみ 阿南市大井町生まれ。城東高、関西外国語大卒。マスコミ向け人材紹介会社などを経て2012年、フジテックスに入り「環境ビジネスキャリア」を立ち上げた。キャリアコンサルタントの国家資格を持つ。東京都港区在住。40歳。