3回にわたって掲載するチャットモンチーへのインタビュー。最終回は、橋本絵莉子さん(ギター&ボーカル)と福岡晃子さん(ベース)がファンや徳島でのラストライブへの思いを語った。

 

 ◆ファンへ

 

 ―ずっと支えてくれたファンへの思いは?

 福岡 チャットモンチーをやれた期間は夢みたいな時間です。夢みたいな気持ちでずっといさせてくれたのはお客さんのおかげでしかなくて。お客さんがいるからチャットモンチー自身もスタッフも、お客さんを喜ばせたいって一丸となってステージに向かったりCDを作ったりできた。お客さんがいつも笑顔でいてくれたからだと思うので、感謝しています。

 橋本 お客さんの存在は、デビュー前はあまり意識してなくて、むしろ「なめられてはいけない」って思っていたので、それがライブや音源にも出ていました。でも、だんだん認知されてきて、期待してくれたり好きになってくれたりっていうのが分かったときに、その気持ちが音源やライブにも反映されました。

 3人や2人だけで音楽を作ってる、ライブをしているわけでは全然なかった。作った曲も、お客さんにわたって初めてその曲の性格が分かった。人の数だけ広がりや新たな曲の一面が見えて、聴いてくれて応援してくれてありがたいなって思います。

 

 ―デビュー間もないころは、ライブのたびに緊張して、「負けない!」という気持ちでステージに上がると話していた。リラックスして上がれるようになった?

 橋本 それが全然…(笑)、緊張はどんどん増しまして(笑)。ステージに立っていざやり始めたときに、「そうやった。味方ばっかりやった」って思い出すんですけど、お客さんの顔を見るまでは緊張のほうがまさって…。何年たってもあっこちゃんに笑われて、「大丈夫だよ」って言ってもらってます。

 

 ◆ラストライブは徳島

 

 ―主催イベント「こなそんフェス2018」(7月21・22日、アスティとくしま)を最後のライブに選んだ理由は?

 福岡 徳島で生まれたチャットモンチーなので、徳島の人に笑顔で最後を見届けてもらいたいというのと、こなそんフェスのラストは阿波踊りだから、阿波踊りを踊ってみんなで笑顔でバイバイしたいという気持ちがありました。しんみりした感じじゃなくって、チャットモンチーとして胸を張って完結を迎えたかった。みんなの笑顔で終わってもらえたら理想的な終わり方です。

 

 ―こなそんフェスへの意気込みは?

 橋本 楽しみはもちろんあるんですけど、チャットモンチーとしてステージに立つのは最後だと思うので、悔いのないようにやりたいと思います。

 福岡 勝手な願いなんですけど(笑)、みんなで阿波踊りして、みんなの輪の中で溶けて、完結したいなって思います。阿波踊りの練習をしないと。

 

 ◆徳島への思い

 

 ―徳島新聞でリレーエッセー「チャットモンチーのよまなそんそん新聞」を月1回連載中。デビュー前のエピソードも盛りだくさんで、反響が大きい。テーマを選んだ理由は?

 福岡 えー?ほんまですか?うれしい! 徳島新聞に書くってことで、徳島のことを思い描いたときに出てきたな?

 橋本 うん。

 福岡 あんまりこういうことを書いたことはなかったんですけど、“ならでは”のことを書きたいなと思ったら、結成のときとか出会ったときのことが鮮明に思い出されてきました。

 

 ―徳島の皆さんにメッセージを。

 福岡 何て言おう?連載見てください(笑)? あと何だろうな…。

 橋本 何だろうな…。チャットがデビューして今年13年目。13年間ずっと、たまにヒヤヒヤしながら応援してくれてたと思うんですけど、ありがとうございます。上京しましたけど、徳島は帰る場所だし、こうやってフェスができる場所にもなった。生まれも育ちも徳島だから、徳島がなければいないと思うんです。結局ずっと阿波弁は抜けなかったし…。

 福岡 (笑)。

 橋本 (笑)きっとこれからもお世話になるような気がしています。すみません、うまくまとまらない(笑)。

 福岡 (笑)、そうですね。これからもお世話になると思いますので、よろしくお願いします。