車体に大きくかかれた水素のロゴ

 環境に優しい水素エネルギーを使った燃料電池バスの路線運行が12月1日、中四国で初めて県内で始まる。徳島バス(徳島市)が、徳島駅を発着して鳴門公園やウチノ海総合公園などを結ぶ4路線で運行。徳島新聞メディア編集部の記者が11月23日にあった実証運行で燃料電池バスに乗り、ディーゼル車との違いを探った。

水素を燃料に走行する燃料電池バス=鳴門市鳴門町土佐泊浦

 徳島バスが今回導入したのは、日野自動車とトヨタ自動車が共同開発した燃料電池バス「SORA」(定員78人)。黒と白を基調に曲線美が美しい車体は、近未来的な雰囲気が漂っている。
 燃料電池バスは水素と酸素を化学反応させて発電した電気で走るため、排出されるのは水のみ。車両後部にマフラーはなく、泥よけのようなゴムから水分が滴り落ちる程度だという。減速時に車輪の回転を利用して発電する「回生ブレーキ」も備えているそうだ。

約78人乗車できる車内

 バスに乗り込むと、既にエンジンがかかっていたが、エンジン音や振動はほとんど気にならない。一定のスピードが出る公道を走っても車内は比較的静かだった。加速はディーゼル車と変わらず、乗り心地も揺れが少ない印象を持った。

車内のコンセントは災害時に電源として使用できる

 車内を見渡すと、あちこちにコンセントが確認できた。災害時などに外部電源供給源として活用できるという。車体後方の出入り口にはスロープがあり、車いすでも安心して乗れる。水素の補充は数分で終わり、満タンで約200キロの走行が可能だという。ドライバーは「大人数を乗せていても坂をぐいぐい登る。従来のバスと変わらない」と話した。
 20分程度の乗車だったが、車内の騒音や揺れといった乗り心地や加速など、従来のディーゼル車とあまり変わらなかった。機会があれば、ぜひ一度乗車してみてほしい。

【動画】https://youtu.be/oXb-ObPJeCE