徳島県立中央、三好、海部の3病院と病院局による2014年度徳島県病院事業会計決算は、14億5637万円の赤字で、3年連続の赤字決算となったことが25日、県のまとめで分かった。中央、三好両病院の改築に伴う費用などがかさんだのが要因。

 収入は前年度比8・2%増の210億4225万円、支出は14%増の224億9862万円だった。

 3病院の入院患者数は前年度比6・3%減の20万5177人、外来患者数は4・3%減の27万4284人といずれも減った。

 一方、診療報酬が高い重度や救急などの急性期の患者割合を増やしたことで、1人当たりの診療単価は入院で6・3%増の5万8640円、外来で9・5%増の1万5481円となり、診療収益は資料の残る1963年度以降最高の162億7721万円だった。

 病院別では、三好が新高層棟の完成に伴う移転費用などで支出が21%増の51億8466万円となり、前年度の8229万円の黒字から8億5963万円の赤字になった。中央と海部はともに前年度に続く赤字で、額は中央が1億291万円増の3億342万円、海部が5679万円増の7215万円だった。

 一般会計からの繰入金28億9204万円(前年度比14%増)を除いた実質収支は43億4842万円の赤字で、赤字額は18億3247万円増えた。

 県病院局は「コストの削減に努めたい。その上で急性期病院としての機能強化を図りながら、県民にしっかりとした医療を提供したい」としている。

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 徳島県鳴門病院の2014年度決算は140万円の黒字となった。

 収入は前年度比1億3921万円(2・1%)増の64億9932万円。年間の入院患者数は1440人減の7万6612人、外来患者数は966人減の11万4人だったが、患者1人当たりの診療単価が高く増収となった。

 減価償却費の増加や消費増税の影響で、支出は2億3167万円(3・6%)増の64億9791万円だった。

 黒字額は前年度の9386万円から大幅に減ったが、県医療政策課は「新規の外来、入院が増えており、悪い傾向ではない」としている。今後、医療機器などの購入時に県立病院と共同交渉するなどしてコストを削減し、利益の確保に努める。