県立防災センターの防災イベントで、ペットボトルを加工した雨量計の作り方を児童に教えるOB会のメンバー=北島町鯛浜

県立防災センターの防災イベントで、ペットボトルを加工した雨量計の作り方を児童に教えるOB会のメンバー=北島町鯛浜

 徳島県シルバー大学校大学院(徳島市中昭和町1)の卒業生有志でつくるOB会が精力的に活動している。大学院で学んだ知識や技能を生かし、大学校で講師を務めたり、観光ガイドなどのボランティアに取り組んだり。設立から10年、活動はますます広がりを見せている。

 OB会は、大学院の1期生72人が会員の交流や地域貢献を目的に、2005年9月に設立。大学院で歴史文化、ICT(情報通信技術)、健康スポーツ、介護、防災の各講座を受けた60~80代の504人が所属している。

 ICT講座の卒業生は05年から、県内各地のシルバー大学校で開かれる同講座の補助講師や講師を務める。このほか、OB会の会員が中心となって12年にNPO法人「徳島いきいきボランティア」を立ち上げ、阿南、牟岐など4市町で毎年、高齢者対象のパソコン教室を開いている。

 歴史文化講座の卒業生も12年に「観光ボランティアガイド友の会」を結成。土、日曜と祝日に徳島市の阿波十郎兵衛屋敷で施設の案内をしている。防災講座の卒業生は防災士の資格を生かし、14年から北島町の県立防災センターで開かれるイベントの企画、運営などに協力している。

 OB会は会員同士の交流にも力を入れており、文化財を巡るツアーや健康ウオーキング、パソコン教室などを年7回ほど行っている。今年5月には、設立以降の歩みをまとめた記念誌を発行した。

 吉田成臣会長(74)=石井町高原=は「設立から10年近くたち、活動が軌道に乗り始めたと感じる。会の魅力を高めつつ、より一層地域に貢献していきたい」と話している。