三好市は、児童生徒の少ない小中学校が合同で授業を行う取り組みを始める。山城町の下名、政友、山城の3小学校は10月から、インターネットとタブレット端末を活用した合同授業を実施。西祖谷山村の西祖谷中学校と檪生(いちう)、吾橋(あわし)両小学校では7月から3校が合同で英語の授業や課外活動を行う。
下名小(児童数16人)は5年生7人、6年生1人、政友小(5人)は5年生4人、6年生1人で、両校とも5、6年生は複式学級になっている。これを解消するため、山城小(66人)の5年生13人、6年生11人が加わり、学年ごとの合同授業を行うことにした。
3校の児童が1カ所に集まるのではなく、タブレット端末を使って各校に居ながら、同じ授業を受ける。教室に据え付けたカメラで授業を撮影し、映像を他の学校に居る児童のタブレット端末に送信する。
西祖谷山村では、檪生小(31人)、吾橋小(10人)の児童が、西祖谷中(生徒数12人)を訪れ、英語の授業を受けたり、放課後の部活動に参加したりする。中学生と共に学校生活を体験することで、中学校を身近な存在として感じてもらう。
祖谷のかずら橋の原料となるシラクチカズラの育苗は西祖谷中だけで取り組んでいたが、児童生徒が協力することによって水やりや除草などの手入れがスムーズにできる。運動会や伝統芸能の学習、散策マップ作りも連携して行う。
三好市の倉本渟一教育長は二つのモデル事業について「教育の質の維持向上を図るとともに、教員の育成にもつながれば」と話している。