旧優生保護法(1948~96年)下で障害者らに不妊手術が強制された問題で、徳島県内の70代男性3人が知的障害を理由に手術を受けたとする記録が、3人の入所施設で見つかった。県内で男性の記録が発見されるのは初めて。別の施設でも複数の入所者の記録があったことが新たに判明し、手術に関する記録は計3施設に残っていた。
男性3人の記録は、既往症や予防接種の有無を記した「健康管理簿」に残っており、優生手術の有無を記入する欄に「済」と書かれていた。手術の時期や方法など具体的な記述はない。3人が60~70年代に入所した際、保護者から聞き取った内容とされている。
この施設ではこれまでに女性17人分の記録が見つかっている。
別の施設では、複数の入所者の記録があった。施設側は年齢や性別、人数など詳しい内容を明らかにしておらず、施設長は取材に対し「一人一人の人権に関わるため詳細な内容はお答えできない」と語った。
これまでの徳島新聞の調べでは、優生手術に関する資料は2施設で少なくとも女性20人分が見つかっており、そのうち2人は資料の備考欄などに手術を受けた時期や年齢が記されていた。
県は24市町村と医療、障害者施設の計805機関を対象に優生手術に関する資料の有無を調べており、このうち3障害者施設で関連資料が見つかっている。県は施設名や資料の内容は公表していない。