那賀町の活性化に取り組む徳島大地域再生塾が、同町和食地区に住民の交流スペースを設けた。2014年8月の台風で浸水被害を受けた空き家を半年がかりで改修した。「つどい家(や)」と名付け、5日オープンさせる。
つどい家は木造2階建ての1階部分。フリースペース2部屋と談話室、台所(いずれも約10平方メートル)のほか、壁にプロジェクターで映写ができる約7・5平方メートルのミニシアタールームがある。
再生塾コーディネーターの高田栄治さん(62)=徳島市南昭和町3=が「空き家を活用して住民が気軽に集える場をつくろう」と発案。活動に協力している住民を通じ、同町出身の空き家の所有者、和田一郎さん(76)=高知市=から無償で借り受けた。
地区は昨夏の台風禍で床上浸水が相次ぎ、和田さんの家は床や壁が水浸しになった。高田さんは今年1月から改修に取り掛かり、同大大学院生らの協力を得ながら、床の張り替えや壁の塗り直しなどを行った。
高田さんは「趣味の成果を発表したり、地域おこしの活動をしたり、『ママ友』の集まりに使ったり、さまざまな用途で活用してほしい」と期待する。中学時代まで同地区で過ごした和田さんは「古里の活性化に役立てばうれしい」と話している。
利用料は、和食地区などの近隣住民は1グループにつき1時間100円(その他は同300円)。個別の部屋の貸し出しも行う。
5日はオープニングイベントとして、地元の陶芸家柿田小糸さん(83)が町老人クラブの陶芸教室の会員6人と共に「夢小糸」と題した作品展を行う。昨夏に自宅が床上浸水した柿田さんは「浸水で作品を全て失った会員もいる。復興の思いを込めて制作したので、ぜひ見てほしい」と呼び掛ける。展示は12日まで。
つどい家の問い合わせは高田さん<電090(1002)7964>。