三好市山城町大野の主婦大久保冨美さん(52)が、過疎の進む同町大野地区に人を呼び込もうと、交流スペースを併設したカフェをオープンさせた。休校中の大野小学校近くの国道319号沿いで5月末から営業を始め、観光客や地元住民でにぎわっている。
店名は「とりの巣カフェ」。大久保さんが生まれ育った地元に「にぎやかな鳥の巣のように、人が集える場所をつくりたい」との思いを込めた。
店内は市産の杉やヒノキをふんだんに使い、落ち着いた雰囲気。地区の観光スポットの天王山と伊予川を一望できるウッドデッキも設けている。地元野菜を使用したパスタ(800円)や、そば粉を使ったシフォンケーキ(400円)、ふ入りのパフェ(630円)などオリジナルメニューを提供している。
交流スペースでは、市内の写真愛好家でつくる「三好写楽会」の写真展(10日まで)が開かれており、地域の憩いの場にもなっている。今後、セミナーやコンサートなどに活用してもらう。
大久保さんの取り組みを応援する住民もいる。下大寺歌子さん(68)は、手描きのイラストで散策マップを作り、周辺の寺社やお堂などを紹介。カフェへの来店をきっかけに地区の魅力を知ってもらおうと店内に置いている。
大久保さんは「古里を離れた人にも気軽に立ち寄ってほしい。少しでも地域ににぎわいを取り戻すことができれば」と話している。
営業時間は午前10時~午後6時。不定休。問い合わせはとりの巣カフェ<電0883(86)2650>。