一般公開された福永家住宅で、「鹹水溜」の内部を見学する参加者=鳴門市鳴門町

 江戸時代の塩づくりの仕組みを伝える国指定重要文化財「福永家住宅」(鳴門市鳴門町高島)が一般公開され、約230人が鳴門の主要産業だった製塩への理解を深めた。

 なると観光ボランティアガイドの会員が案内。参加者は、入浜式塩田の跡地や海水を濃縮させた「鹹水(かんすい)」の貯蔵庫「鹹水溜(だめ)」、鹹水を煮詰めて水分を蒸発させる「釜屋」などを見て回った。

 海水を砂の上にまく「潮掛け作業」の模擬体験や、塩田労働者の腹を満たした「鳴ちゅるうどん」と「鳴門饅頭(まんじゅう)」の接待もあった。

 友人と見学した城ノ内中1年大開崚生さん(13)は「昔の製塩法がよく分かった。塩づくりの歴史をもっと知りたい」と話した。

 福永家住宅は塩田、製塩場、居宅が一体となって残る全国唯一の施設。市教委は年2回一般公開しており、10月にも見学できる。