記念誌を読みながら活動を振り返る桑原信義会長(中)ら会員=徳島新聞社

創立50周年記念誌をPRする桑原信義会長=徳島新聞社

 徳島日本ポルトガル協会が、創立50周年事業の一環として記念誌「モラエス顕彰と徳島ポルトガル(レイリア)交流の半世紀」(A4判、124㌻)を刊行した。1970年10月31日の発足から2020年までの主な出来事を24項目のテーマに分け、35人の会員らが分担して貴重な資料写真とともに解説する内容。桑原信義会長は「徳島とポルトガルの国際交流発展の一助になれば」と期待を込める。

 記念誌には、徳島市で晩年を過ごしたポルトガルの文人モラエス(1854~1929年)の顕彰や、徳島市とポルトガル・レイリア市との姉妹都市交流など、協会が創立当初から取り組んできた活動を中心に掲載した。

 「徳島での日ポ交流450周年記念行事」では、協会が1993から94年にかけて尽力した記念行事をまとめた。93年9月にポルトガル海軍の帆船サグレス号が徳島市のマリンピア沖洲に寄港したり、10月にマリオ・ソアレス同国大統領が徳島を訪れたりした時の様子などを回顧した。

 モラエスを顕彰する「モラエス賞」の第1回受賞者となった故瀬戸内寂聴さんに賞状を手渡すため、会員が2014年に京都市の寂庵を訪れた際のエピソードや写真なども取り上げた。モラエスの伝記「孤愁―サウダーデ」の著者・藤原正彦氏が、父で作家の故新田次郎氏による未完の遺稿を引き継ぐ決意をした当時の心情などを振り返った特別寄稿「新田次郎とモラエスのことなど」も興味深い。

 企画は、桑原会長ら主要メンバーが創立50周年に向けて18年に検討を始めた。新型コロナウイルスの影響で制作が思うように進まない状況に直面したものの、約3年をかけて刊行にこぎ着けた。

 桑原会長は「モラエスの顕彰だけでなく、徳島とポルトガルの関わりも網羅しており、資料的な価値があるものに仕上がっている。これを区切りにして、次の50年に向けての第一歩にしたい」と話している。

 600部発行。県内の公立図書館や大学などに約300部を寄贈するほか、紀伊國屋書店徳島店で一般発売(税込み2千円)している。