臨時記者会見を行う飯泉知事

臨時記者会見を行う飯泉知事

 徳島県は5日、1日と2日に新型コロナウイルス感染が確認された男性2人について、ゲノム解析の結果、いずれもオミクロン株だったと発表した。県内でオミクロン株による感染が判明するのは初めて。記者会見した飯泉嘉門知事は感染経路を県外とし、県内での市中感染の可能性を否定した。県は、全ての県民が薬局などで無料検査を受けられる制度を始めた。

 県によると、2人は大阪府在住の40代会社員と藍住町の20代会社員。40代男性は美波保健所管内にある実家に帰省中で、県内では51日ぶりの感染者だった。20代男性は広島県滞在中にPCR検査を受け、帰県後に陽性と判明した。広島県に発生届が出ており、徳島県の陽性者には数えない。いずれも軽症で、県内の医療機関に入院している。

 県は新型コロナ対策本部会議を県庁で開き、香川など隣接県で市中感染が確認されているとして、検査体制の強化を決めた。健康上の理由でワクチン接種を受けられない無症状者を対象にしている無料検査の枠を拡大。ワクチン接種済みの人でも31日まで抗原検査やPCR検査を受けられる。

 実施する施設は、徳島や阿南、美馬など6市3町の医療機関や薬局など24カ所(5日時点)。県ホームページに施設の一覧を掲載している。予約は不要。

 飯泉知事は会議後の会見でオミクロン株と判明した男性2人について「既に市中感染が確認されている広島と大阪に滞在していた」とし、「県内での市中感染の可能性はない」と説明。その上で「過剰に恐れることはなく、基本的な感染対策を継続してほしい」と呼び掛けた。