最終日スタートの16区を一斉に飛び出す16郡市の高校生選手たち=5日、三好市池田町の阿波池田駅前

 5日に閉幕した第68回徳島駅伝(徳島陸協、徳島県、徳島新聞社主催)は、上位3チームが最終盤まで優勝を争う白熱したたすきリレーを演じ、鳴門市が2大会ぶり37度目の総合優勝を飾った。徳島市は連覇を逃したものの1分27秒差で堂々の2位。3位美馬市も1分54秒差に迫る健闘で8大会ぶりにメダルを獲得した。新型コロナウイルスの影響で中止になった昨年を挟んで2年ぶりの開催となり、従来の3日間から2日間に短縮するなど新たな形で再スタートした大会を振り返る。

 日程が短縮されたとはいえ、指定区間の配分割合は前回までとほぼ同じだった。コース全体(27区間、164・3キロ)に占める一般男子の区間数は約5割(13区間)、距離にすれば約7割(114・2キロ)に上り、一般男子の層が厚いチームほど有利な構図はこれまで通りだった。

 実業団選手が多い鳴門市は、その一般勢の踏ん張りが王座奪還につながった。七つの区間賞のうち六つは社会人と大学生が獲得。長距離区間での貯金を使い、ライバルをわずかに上回った。一方、かねてから課題の男子中学生は全6区間で2桁順位にとどまり、中学生総合は12位と低迷。ジュニアの育成が急務だ。

 徳島市は実業団選手こそ1人だったが、実力派の市民ランナーらが遜色ない走りを披露した。多くが中高生時代に徳島駅伝をきっかけに走り始め、社会人になっても続けている。平田監督は「10年後につながる選手を育てる視点で長年チームづくりをしてきた結果」と手応えをにじませた。

 前回5位から躍進した美馬市は短期決戦のメリットを生かした。一般男子は実質8人と、平均的なチームより2、3人少ない少数精鋭で挑戦。前回までは駒不足で中高生に任せざるを得ない一般区間もあったが、区間数が減り、一般だけで賄えるようになった。社会人や大学生の好走に中高生も引っ張られ、全27区間で1桁順位と安定感が光った。

 今大会では選手起用に関する規則が大幅に変わった。前回まで2回の出走が認められていた中学・高校の男女、一般女子の出走をいずれも1回に制限。一般区間では一部を除き、中学生が走れないようにもした。選手の負担を和らげるとともに、より多くの選手に出場機会を与えるためだ。

 こうした変更について、現場の監督からは理解を示す声が目立った。特に1人1回の出走制限は、徳島駅伝後に控える男女の全国都道府県対抗駅伝に出場する選手への影響を最小限にとどめる点からも必要な改正だったとの意見が多い。ある監督は「これまでも呼び掛けはあったが、強い選手をどうしても2回使いたいというチームもあり統一できなかった。ルールとしてはっきり決めてくれて良かった」と話す。

 今回、県北部や県西部のコース沿いには2年ぶりの開催を待ちわびた多くの人の姿があった。新型コロナの感染対策として、声援の代わりに小旗を振ったり手をたたいたりして懸命にランナーを応援する姿が見られた。地域を挙げて盛り上がる新春の恒例行事が帰ってきたことを実感した。

 2日間開催は3年間続く見通しだ。今大会は感染対策を踏まえ、宿泊施設数や交通の便なども勘案して吉野川北岸・南岸コースが採用された。ただ、例年初日に走っていた南方コース(海陽町―徳島市)ではレースがなく、寂しい思いをした県南部のファンも少なくないだろう。朝日に照らされ、号砲とともに海陽町の宍喰橋を駆け出していく高校生ランナーの姿が懐かしい。次回はぜひ、南方コースを採用してほしい。