徳島県は8日午後6時、新型コロナウイルス感染拡大への警戒を県民に促す「とくしまアラート」を昨年12月の基準改定後、初めて発動した。警戒レベルは4段階で最も低い「感染観察」で、病床使用率が発動基準の10%を超えたのが理由。オミクロン株への警戒で感染者全員を入院させていたが、軽症や無症状者が多いことから、医療逼迫(ひっぱく)を防ぐために医師の判断で宿泊療養施設や自宅での健康観察も可能とした。宿泊療養施設に入所していた濃厚接触者についても今後は自宅での健康観察とする。
県によると、8日発表時点での入院者数は27人(県外で確認された感染者1人を含む)。確保病床(263床)に占める割合は10・3%となり、病床使用率を指標とするアラートの新基準で、警戒レベル1の感染観察(10%以上)を上回った。アラートの発動は昨年10月13日に感染者数などを指標としていた旧基準で5段階中、下から3番目の「感染拡大注意漸増」を解除して以来、87日ぶり。
このほか、県は確保していたモデルナ製ワクチンを活用し、希望した医療機関と高齢者施設の入院・入所者ら約6千人に11日から追加接種を始める。対象は2回接種後、6~8カ月が経過した人で、接種を加速させることでオミクロン株による感染拡大を防ぐ。
学校関連では「まん延防止等重点措置」適用地域の学校と部活動での練習試合を禁止としたほか、同地域への修学旅行を控えるよう県立学校や市町村教委に通知した。
飯泉嘉門知事はこの日の会見で、県内でも確認されているオミクロン株について「過度に恐れる必要はない」とした上で、マスク着用や消毒など基本的な対策徹底を改めて求めたほか、県が実施する無料検査事業の積極的な活用を呼び掛けた。