弘法大師空海が開いた真言密教の聖地・高野山(和歌山県高野町)で、僧職の最高位に当たる寺務検校執行法印を務める吉野川市山川町出身の静慈圓さん(75)=清凉院住職=が、仏画と書に親しむ書籍を監修した。自ら手掛けた作品も盛り込んでおり、塗り絵、模写を通じて密教の世界に触れてもらう。
「空海とはじめる仏画 なぞり描き&ぬり絵」(B5判、80ページ、1296円、笠倉出版社)と、「空海とはじめる書 写経と梵字(ぼんじ)」(B5判、64ページ、1620円、同)の2冊。
釈迦(しゃか)如来や大日如来などの仏画を色付けしたり、空海が残した言葉や梵字をなぞったりして仏教の教えや書の心得を学ぶ。静さんの仏画約50点と書約60点を手本として掲載した。
静さんは、日本から唐に渡って密教を修めた空海の足跡をたどり、1984年には訪中団を率いて2400キロの道のりを踏破。空海を追体験する巡礼道の「空海ロード」を開創するなど中国との文化交流を続けており、こうした取り組みについても紹介している。
静さんは「書と仏画を通じて心を整え、空海の思想を感じてもらえたら」と話している。
2冊ともインターネット通販のアマゾンや楽天ブックスで購入できる。