千歳産業が開発した自家製バター製造機=小松島市中田町の同社

 産業用機械の製造などを手掛ける千歳産業(小松島市)が、業務用の自家製バター製造機を開発した。安価なコンビニのスイーツに押されがちな個人経営の洋菓子店などに販売し、自家製バターを競争力の高い商品づくりに生かしてもらう。近年目立つ既製バターの品薄問題に対応できるメリットも売り込む。
 
 自家製バター製造機は、備え付けのステンレス製容器に生クリームを入れ、容器の台を電動モーターで上下や左右に動かす仕組み。生クリームがかき混ぜられ、15~20分で液体とバターに分離する。
 
 1リットルの生クリームで500グラムのバターが出来上がる。製造過程でハーブやレーズンなどを加え、自由にアレンジすることもできる。
 
 製造機のサイズは縦93センチ、横40センチ、奥行き65センチで、バターを大量生産するメーカー向けの機械に比べて大幅に小型化した。価格も100万円未満に抑え、個人経営の店舗でも導入しやすくした。
 
 コンビニの洋菓子が人気を集め、経営が厳しくなっている個人店が多いことを知り、自家製バターで差別化を図ってもらおうと発案した。バイキング形式のレストランにも販売し、自家製バターを売りにしてもらうことを想定している。
 
 既製のバターは生乳生産の減少を背景に品薄となる傾向が近年目立ち、2014年には需要の高まるクリスマス前後に小売店で売り切れるケースが続出した。業界団体のJミルク(東京)によると、15年度も7100トンが不足する恐れがあり、国が10月末までに1万トンを追加輸入することを決めている。
 
 不足が常態化する懸念もある中、製造機を備えた店では生クリームさえあれば、バターを安定的に確保することが可能だ。
 
 千歳産業は受注生産で販売し、無料貸し出しもしている。佐々木哲也社長は「既製バターを仕入れるより原価は上がるかもしれないが、素材と味にこだわったオリジナル商品の開発に活用してほしい」と強調している。