ITの力で地域の課題を解決する民間団体「Code for Tokushima」(コードフォー徳島)が、暮らしに役立つアプリの開発に取り組んでいる。市民がアイデアを出し合うことで利便性が一層高められ、これまでに「子育て」や「阿波踊り」でアプリの開発を手掛けた。今後も交通や防災、健康といった身近なテーマでアプリの開発を目指す。
コードフォー徳島は2014年12月にエンジニアの坂東勇気代表(36)=藍住町住吉=の呼び掛けで発足し、県内のIT技術者ら20人が集まる。
アイデアの発想方法として、チーム単位で意見を出し合い優劣を競う「アイデアソン」の形式を取り入れており、テーマごとに興味のある市民が参加している。アイデアソンはアイデアとマラソンを組み合わせた造語で、近年全国で広まっている。
第1弾として15年2月、「子育て」がテーマのアイデアソンを徳島市のフレアとくしまで開いた。主婦ら33人の意見を基に、地図上に表示された保育所や幼稚園、小中学校のアイコンをクリックすると、電話番号や定員などが一覧できるアプリを開発した。施設の情報は県が公開している統計情報などのオープンデータを活用した。
5月には同市の阿波おどり会館で、踊り子ら45人が阿波踊りを楽しむアプリを考えた。連の踊っている場所をリアルタイムで把握できるアプリや、桟敷などの空き状況が分かるアプリが提案され、8月の阿波踊りでの運用を目指している。
今後も3カ月に1回程度、アイデアソンを開き、交通、防災、健康といったテーマでアプリの開発を考える。
IT技術者らが行政のオープンデータを使って地域課題の解決を狙う取り組み「コードフォー」は、米国で発祥した。日本でも約50カ所で団体ができており、徳島もその一つ。坂東代表は「市民が立場を超えてアイデアを出し合い、ITで県民の暮らしを充実させたい」と意気込んでいる。
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