小松島市内の女性(20)は昨年9月、新型コロナウイルスのワクチン接種を巡り、利用していた障害者就労支援施設とトラブルになった。母親(43)らが施設側と話し合った直後、利用契約の解除を告げられた。

 女性には知的障害があり、県内の支援学校を卒業した2019年4月、学校の紹介で就労支援施設に通い始めた。平日の午前9時から午後4時ごろまで、パンの販売や資源ごみの仕分けなどに従事。工賃は月1万4千円ほどだが、喜んで通っていた。

 昨年6月末、小松島市が基礎疾患のある人にワクチン接種券の発送を始めるとの記事が新聞に載った後、施設職員から母親に電話があった。「接種に必要な申請をするように」。女性は心臓に持病があった。母親は接種を強制されているようで疑問を感じたが、指示通りに申請を済ませた。