大型で強い台風11号は16日午後11時ごろ、高知県室戸市付近に上陸した。県内は午後4時ごろから風速25メートル以上の暴風域に入り、各地で激しい風雨に見舞われた。気象レーダーの解析では、上勝町で午後10時までの1時間に約120ミリを観測、三好、東みよし両市町でも1時間に約110ミリの猛烈な雨が降り、記録的短時間大雨情報が出た。県によると午後11時50分時点で阿南、三好、神山の3市町で1万2226世帯3万645人に避難指示、徳島市など9市町村の4万5920世帯10万7104人に避難勧告が出された。
県が上勝町殿川内に設置している雨量計では午後10時までの1時間に118ミリを記録。徳島地方気象台によると、15日午後10時の降り始めから16日午後11時までの総雨量は上勝町福原旭374・5ミリ、那賀町木頭出原290・0ミリ、海陽町188・0ミリ、つるぎ町半田187・0ミリ、徳島市113・5ミリなどだった。
最大瞬間風速は美波町で午後9時11分に観測史上最大となる39・6メートル、阿南市蒲生田でも34・0メートルを観測した。
気象台は徳島市や小松島市など15市町村に土砂災害警戒情報を発令。徳島新聞の午後11時時点のまとめでは、全市町村の656世帯908人が公民館や集会所に避難している。
鳴門市災害対策本部によると、午後6時40分ごろ、同市撫養町斎田の男性(75)が自宅で雨戸を運んでいたところ、強風にあおられて転倒。左脇腹に軽傷を負った。
大雨の影響で河川の水位が上昇。午後11時までに園瀬川の山上水位観測所(徳島市)、川田川の川田水位観測所(吉野川市)、勝浦川の横瀬水位観測所(勝浦町)で、氾濫が危ぶまれる「氾濫危険水位」を超えた。美波町木岐地区で住宅1棟が床下浸水した。那賀町の長安口ダムでは午後11時時点で毎秒3千トン以上を放流している。
四国電力徳島支店によると、美馬、勝浦など13市町の5305戸が停電した。午後11時時点で復旧していない。
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