10回を投げ抜き、1安打完封で優勝に貢献した鳴門の安崎理(右)=JAアグリあなんスタジアム

 軟式野球の第63回全国高校選手権徳島大会は24日、JAアグリあなんスタジアムで決勝を行い、鳴門が延長戦の末、2-0で富岡東を下し、42年ぶり5度目の優勝を果たした。鳴門は全国選手権出場を懸けて四国大会(7月30、31日・鳴門オロナミンC球場)に出場する。

 ▽決勝
  鳴 門000 000 000 2 2
  富岡東000 000 000 0 0
    (延長十回)

 完封で勝利に貢献

 鳴門の1年生エース・安崎理は最後の打者を三ゴロに打ち取ると、控えめにガッツポーズをつくった。「走者を出していたので抑えられてよかった」。優勝の喜びよりも、緊張からの解放感が大きかった。

 九回を終えて0-0。息詰まる投手戦が続く中、鳴門打線は相手エースを攻めあぐね、得点圏に走者を進められずにいた。それでも安崎理は「自分がゼロに抑えることで、必ず攻撃にリズムは生まれる」。打線を信じて右腕を振り続けた。

 延長十回。その粘りの投球に打線が応えた。酒井の中前打を足場に1死満塁とし、初めての得点機を迎えた。「守り抜いて少ないチャンスをものにするのがチームカラー」と奥主将が言うように、暴投と内野ゴロで2点。ワンチャンスを確実に得点に結び付け、勝利を呼び込んだ。

 42年ぶりの優勝にチームの士気は高まる。県勢の全国大会出場は2011年を最後に遠ざかっているが、最終関門となる四国大会に向けて奥主将は「投手力と守備力は発揮できた。打撃力を磨いて必ず突破する」と自信をのぞかせた。