吉野川医療センターで初めて産まれた大坂広翔ちゃんを抱く由貴さん(右)と光介さん=吉野川市鴨島町知恵島の同センター

吉野川医療センターで初めて産まれた大坂広翔ちゃんを抱く由貴さん(右)と光介さん=吉野川市鴨島町知恵島の同センター

 5月に開院した吉野川医療センター(吉野川市鴨島町知恵島)で16日、初めての赤ちゃんが生まれた。前身の麻植協同病院(同市鴨島町鴨島)では、産科の医師が不足し2009年4月に分娩(ぶんべん)を中止していた。

 赤ちゃんは同市出身の大坂由貴さん(29)=大阪府東大阪市、主婦=と光介さん(29)=会社員=夫妻の次男広翔(ひろと)ちゃん。身長51センチ、体重3540グラムで午前1時38分に生まれた。母子共に健康という。

 由貴さんは里帰り出産するに当たり、実家から近く、診療科が多いことからセンターを選んだ。15日朝に陣痛が始まり、午後4時に入院。陣痛から分娩後まで同じ部屋で過ごせる「LDR室」で、光介さんに見守られて出産した。「大きな病院なので安心して出産できた」と、愛息の顔を見詰めながらほほ笑んだ。

 産婦人科部長の岡田真澄医師(46)は「第1号が無事でよかった。他の病院と連携を強め、県央で安心してお産ができる環境を整えたい」と話した。

 センターでは16日時点で分娩の予約が52件ある。年間200件の分娩を目標にしており、今後、常勤医師を2人に増やすなど態勢を強化する方針。