徳島県は29日、10歳未満~90代の男女163人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。5日連続で過去最多を更新した。全員が軽症か無症状。とくしまアラートの警戒レベル引き上げやまん延防止等重点措置の国への適用要請について、飯泉嘉門知事は「感染者の今後の増減傾向や病床の状況などを見極めた上で総合的に判断する」と語った。
29日時点の病床使用率は34・6%で、とくしまアラートの警戒レベルで現行より1段階高い「感染警戒(レベル2)後期」(35・0%以上)の発動基準が迫っている。一方、重症者用病床の使用率はゼロで30%以上の基準に達していない。県は感染警戒後期になれば、重点措置の適用を国に求め、飲食店に対して営業時間短縮を要請するとしている。
飯泉知事はこの日の会見で「今の段階では重症者は出ておらず(アラート引き上げなど)そこに行くまでの状況にない」とした上で、重点措置の適用要請に向けた国との協議について「アラートを引き上げた段階で準備を始める」と述べた。流行「第6波」では飲食店から、教育の場や家庭に感染リスクがシフトしていることから「政府の基本的対処方針を変えるべきで、国には地方の実態を訴えていく」と語った。
29日発表の感染者のうち10歳未満の9人は児童等利用施設の利用者で、県は先に感染が分かった職員1人と利用者3人、2次感染の3人を含め、この施設でクラスター(感染者集団)が発生したと認定した。「接触者が把握できている」として施設名や所在地は公表していない。県内でのクラスターは75例目。
学校関係の陽性者は小学生16人、中学生4人、高校生9人、大学生3人、高校の教職員1人、大学の教職員2人。
阿南市、那賀町、徳島地方法務局の職員各1人も感染した。
居住地の内訳は徳島市73人、阿南市19人、鳴門市と小松島市各11人、吉野川市と藍住町各8人、勝浦町7人、北島町6人、松茂町4人、美馬市3人、石井町、海陽町、板野町、東みよし町、愛媛県各2人、阿波市、三好市、上板町各1人。
政府が濃厚接触者の待機期間短縮を決めたことを受け、徳島でも現行の10日から7日にする。社会機能維持に必要な「エッセンシャルワーカー」は4日目と5日目に抗原定性検査で陰性が確認されれば最短5日にすると明らかにした。無症状患者の療養期間も10日から7日とする。