臨時記者会見を行う飯泉嘉門徳島県知事=30日、県庁

臨時記者会見を行う飯泉嘉門徳島県知事=30日、県庁

 徳島県は30日、10歳未満~90代の男女127人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。全員が軽症か無症状。1日当たりの感染者数は5日連続で100人を超えた。感染者全体に占める60代以上の割合は22日発表時点の5%に対し、30日時点は16・5%と3倍超に増えており、感染が徐々に高齢層にシフトしている傾向が明らかになった。中学校1校を含む4施設を新たにクラスター(感染者集団)と認定。1月に発生したクラスターは計21件となり、昨年8月の18件を上回って月別で過去最多となった。

 60代以上の感染比率を週単位でみると、直近1週間(23~29日)の感染者計848人のうち60代以上は110人で割合は13%。前週(16~22日)は感染者計373人のうち、60代以上が34人で9・1%だった。県によると、家庭内感染の増加に伴い、感染者の多くを占めていた若者から高齢の同居家族にうつす事例が増えているという。1月には高齢者施設関連のクラスターも2件発生している。

 飯泉嘉門知事は会見で「徳島は3世代同居の家族が都市圏より多く、今後も注意が必要だ。高齢者施設へさらに拡散させてしまう前に、感染拡大を止めないといけない」と語った。

 クラスターが発生した中学校では、感染が判明していた生徒3人に加え、生徒4人が陽性となった。部活動などを通じて感染が広がった可能性があるという。社会福祉施設は、新たに利用者と職員13人の陽性が分かり、先に感染した3人を含めて計16人のクラスターとなった。高齢者施設は職員1人が感染し、陽性が判明していた職員や利用者ら7人を合わせ計8人となった。28日までに職員5人と患者1人の感染が確認された医療機関もクラスターと認定した。

 県は4施設について「接触者が把握できている」として施設名や所在地を公表していない。