三好市東祖谷の落合集落で19日、総延長3250メートル、高低差265メートルの流しそうめんが成功した。総延長でギネス記録を33・3メートル、高低差でも世界記録を135メートル上回る快挙達成に、国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に指定されている山あいの集落は喜びに包まれた。
全国から抽選で選ばれた招待者と集落住民ら約150人が参加。午後0時54分、標高815メートルのスタート地点で落合重伝建保存協議会の南敏治会長(73)ら3人が、半田そうめん1束分を4回に分けて流した。
急傾斜地に青竹を使って設けられたコース沿いでは、参加者が「目指せ世界一」と書いた横断幕を掲げたり「頑張れそうめん」と声援を送ったりしながら、流れて行くそうめんの行方を見守った。
投入から1時間15分後、標高550メートルのゴール地点に流れてきた一本の麺を、神奈川県相模原市の小学生2人が竹ざるで受け取り、流しそうめんは成功。待ち構えていた住民らから歓声が上がった。その後もそうめんは次々と流れ着き、投入した麺の約半分が無事にゴール。同市山城町の阿波踊り連が乱舞を繰り広げ、祝賀ムードを盛り上げた。
名古屋市から参加し、そうめんを投入した坂田潤哉君(16)蒼哉君(14)の兄弟は「世界記録に携わることができて、とても幸せ」。南会長は「集落が活気付いてうれしい限り。最高のPRになる」と声を弾ませた。
イベントを企画した世界流しそうめん協会(京都)によると、従来の流しそうめんのギネス記録は、2011年に京都府井手町で記録された3216・7メートル。三好市はギネスの申請を検討している。
また高低差の世界記録は14年に熊本県菊池市で成功した130メートルで、今回記録を更新したイベント実行委員会に、同協会から世界一の認定証が贈られた。
会場では試食用のそうめんも振る舞われ、会場が一体となって世界記録達成を祝った。