午前0時から2時までの時間帯は新聞記事なら夜明け前の「未明」と書く。江戸時代以前の時刻だと「子三つ時から丑二つ時まで」。「草木も眠る丑三つ時」の少し前だから、住宅街は大抵寝静まっているころである

 静寂を破るような歓声が、隣近所から聞こえてこなかっただろうか。もしや自分が喜ぶ声と重なり、気付かなかったとか。県内にもそんな家庭や地域があったに違いない

 サッカーW杯の日本対セネガル戦は、見応えのある好試合だった。スコアは2対2。相手に失点を許せば「ああっ」「まじかー」と漏れ、思わず頭を抱えてしまう。ゴールを奪えばもちろん歓喜の声とガッツポーズ

 哀歓が2度、交互に訪れた。勝てばなお良かったけれど、点を取られてもしぶとく追い付く執念は圧巻でしびれた

 盛りを過ぎた。新鮮味がない。開幕前、日本代表は厳しい評価だった。それがどうだ。「奇跡」と評された初戦の勝利も含め、本田圭佑選手(32)や長友佑都選手(31)らベテランの貢献度といったらない。「おっさんたちが結果を出したいという気持ちがあった」。長友選手の談話はすがすがしい

 1次リーグ突破が懸かるポーランド戦は、セネガル戦より1時間早い。試合終了は子四つの午前1時前。近所の歓声があっても大目に見よう。きっと自身の音量も一段と大きくなる。