劣化が著しく、安全対策が必要と判断された南小松島小学校の塀=小松島市小松島町高須

 小松島市と市教委は25日、同市内の保育所や幼稚園、小中学校などの公共施設のブロック塀について、劣化が進むなどして緊急に安全対策が必要な施設が11カ所あると明らかにした。このうち5カ所は、建築基準法施行令に違反すると判断した。18日の大阪府北部地震で小学校のブロック塀の下敷きになり、女児らが死亡する事故を受け、緊急調査した。同地震後、県内で倒壊危険箇所が具体的に示されたのは初めて。

小松島市と市教委は25日、同市内の保育所や幼稚園、小中学校などの公共施設のブロック塀について、劣化が進むなどして緊急に安全対策が必要な施設が11カ所あると明らかにした。このうち5カ所は、建築基準法施行令に違反すると判断した。18日の大阪府北部地震で小学校のブロック塀の下敷きになり、女児らが死亡する事故を受け、緊急調査した。同地震後、県内で倒壊危険箇所が具体的に示されたのは初めて。
 

 市議会予算決算委員会で、豊栖弘明総務部長らが報告した。安全対策が必要とした施設と、施行令違反と判断した施設は<別表>の通り。

 市などは19~22日に147施設で、ブロック塀の有無や劣化状況などを点検。「緊急に対応が必要」「緊急性はないが対応が必要」「対応が必要ない」の3段階で評価した。

 ブロック塀の高さ制限などを定めた施行令違反と判断した和田島保育所(和田島町明神北)では高さ1・4メートル、長さ51・4メートルのブロック塀が南門から北側敷地までコの字型に立っている。塀の倒壊を防ぐため3・4メートルごとに設置しなければならない「控え壁」が2カ所しかないことなどから、違反と判断した。改正建築基準法施行(1981年)以前の70年の設置とみられる。

 市教委が管轄する16カ所の幼稚園と小中学校では、控え壁の有無など詳しい調査はしておらず、目視で劣化や損傷が著しいことを確認。南小松島小など6施設を「緊急に対策が必要」とした。

 市によると、中郷共同浴場(中郷町県前)の塀は撤去を検討。小松島競輪場(横須町)の対象箇所は立ち入りを制限し、将来の施設改修に合わせて対処する。他の該当施設も改めて調査する。市教委は幼稚園と小中学校の施設の定期点検時、塀の安全性を確認する。

 豊栖部長は「必要な費用などを調べ、早急に対応したい」、石山晃教育次長は「フェンスに変えるなどの対策を考えたい」と話した。

 対象の学校に子どもが通う主婦高橋美華子さん(45)=同市南小松島町=は「目視では分からない損傷があるかもしれない。小さな地震で崩れないよう早く対応してほしい」と話した。