身ぶり手ぶりを交えて情感豊かに浪曲を披露する玉川さん=阿波市市場町の市交流防災拠点施設アエルワ

身ぶり手ぶりを交えて情感豊かに浪曲を披露する玉川さん=阿波市市場町の市交流防災拠点施設アエルワ

 浪曲師・玉川奈々福さんによる独演会(徳島新聞社など主催)が5日、阿波市市場町の市交流防災拠点施設アエルワであり、約180人が情感あふれる歌と語りに聞き入った。

 玉川さんは、語りに合わせて三味線を弾く曲師・沢村美舟さんと共に登場。駄目な夫を武術を通して妻が立ち直らせる古典「仙台の鬼夫婦」と、金魚屋と青い金魚の物語を描いたオリジナル作「金魚夢幻」を上演し、三味線との絶妙の掛け合いで会場を沸かせた。

 身ぶり手ぶりを交え、時には力強く、時には繊細な語りを披露。伸びやかな節回しで観客を魅了し、軽妙な語りで笑いも誘った。

 浪曲の楽しみ方もアドバイス。浪曲では歌の部分を「節」、語りを「啖呵(たんか)」と呼ぶことや、拍手のタイミングや「待ってました」「たっぷり」といった掛け声などについて説明した。

 幼い頃から浪曲ファンという中村史郎さん(71)=藍住町住吉、会社員=は「心を揺さぶられるものがあった。浪曲の公演が増えてほしい」と話した。