ほぼ毎朝、コーヒーを飲む。家人が「教室」で学んで以降、豆をひいて入れる。昼食後も一杯、夕暮れにも一杯。徳島市民は、コーヒー派が多いようだ

 それを裏付けたのが、総務省の県庁所在地および政令市の家計調査品目別ランキングだった。「コーヒー・ココア」の支出額が全国1位に。22日付の本紙夕刊で見出しが躍った

 地方紙の仲間にまた一つ「自慢」できる話が増えたなどと考えながら、思い出したのは下野新聞記者の話。「宇都宮市はギョーザ、カクテル、ジャズだけじゃないんですよ」。もう一つと言って出たのは紅茶だ。家計調査で消費量が全国一を獲得したのを機に、市中心部の小学校には2013年、全国でも珍しい「紅茶部」も生まれた

 「放課後こども教室」の一環で、紅茶の魅力や歴史を学んでもらう試みだ。講師役は13年前に帰郷し、小学校近くに紅茶専門店を開いた根本泰昌さん(43)である。当時、紅茶がもう一つの「名物」になるとは、本人も想像すらできなかった

 大塚製薬でマーケティングなどをしていた経験からも「売れない物を売る。タブーへの挑戦だった」。寂れていく商店街と人を元気にしたい。そんな思いが紅茶の消費を増やしていったのだろう

 全国1位となれば、ほおーっとなるが、これを、さてどう生かす。熱意次第、アイデア次第か。