近所に食料品店やスーパーがなく、車も運転できず外出が難しい「買い物弱者」への支援は待ったなしだ。

 高齢化と人口減少が進む地域コミュニティーを維持するためにも、国や自治体は、民間事業者などと連携して対策を加速させなければならない。

 農林水産省は、2015年時点で買い物弱者が824万6千人に達し、10年前に比べて21・6%増加しているとする全国推計を公表した。

 過疎地を抱える徳島県の状況も深刻だ。農水省によると、県人口に占める75歳以上の割合は34・5%に上り、3人に1人が不便を強いられている。

 日々の食品購入に苦労する高齢者らが、加工食品への依存を高めているとの指摘もある。健康寿命を延ばすとともに、膨張する社会保障費を抑制するための効果的な対策が急がれる。

 過疎地で規制緩和された路線バスによる「貨客混載」事業や無人機ドローンを使った宅配など、あらゆる取り組みを積極的に導入し、運搬コストの削減や雇用の創出にもつなげたい。

 各地で本格化しつつある「移動スーパー」事業に、高齢者向けの運動指導などを組み合わせる方策も考えられよう。

 買い物弱者への対策は今後、商業施設の郊外化などが進んだ都市部で重要になる。

 都市機能を集約するエリアをより絞り込んだ「コンパクトシティー」政策を進めたい。山間部で暮らす高齢者らの理解を得て、市街地の空き家などに転居してもらう取り組みも真剣に検討する必要がある。