政府の地震調査委員会(委員長・平田直東京大教授)は26日、30年以内に震度6弱以上の揺れに襲われる危険性を示す全国地震動予測地図の2018年版を公開した。南海トラフ巨大地震が懸念される徳島県内では、徳島市が73%と17年版から1ポイント上昇。中央構造線断層帯の評価見直しや別の県内2断層が評価対象になったことも影響し、発生確率が上がった。
南海トラフ巨大地震の発生確率は、時間の経過とともに毎年上昇しており、今回は17年12月に公表した地域評価で、四国で30年以内にマグニチュード(M)6・8以上の活断層地震が起きる確率を9~15%と推計したことも加味した。
このため、発生確率は四国全体でわずかに上昇しており、高松市が62%から63%に、松山市が44%から46%、高知市が74%から75%となった。
地域評価で新たに評価対象になった吉野川市鴨島町から徳島市国府町にまたがる上浦―西月ノ宮断層(長さ約10キロ)と三好市東祖谷山村から高知県香美市に至る綱附森(つなつけもり)断層(約14キロ)も反映。活動間隔が分かっていないため、地震の発生確率は不明だが、2千年と仮定した場合の確率としてともに30年以内に1・49%と推計した。
震度0~7の10段階のうち、上から3番目に当たる震度6弱では、耐震性の低い木造建築が多数倒壊する恐れがある。平田委員長は「震度6弱以上が起きる確率がゼロの場所はない」と対策の見直しを呼び掛けた。
評価は今年1月1日が基準。最新版は防災科学技術研究所のウェブサイトで公開され、住所から発生確率を検索できる。