政府の地震調査委員会(委員長・平田直東京大教授)は26日、30年位内に震度6弱以上の揺れるに襲われる危険性を示す全国地震動予測地図の2018年版を公開した。

 「上浦―西月ノ宮断層」(吉野川市鴨島町-徳島市国府町、長さ約10キロは、今後30年以内の地震発生確率が1・49%と推計された。地震の規模を示すマグニチュード(M)は6・5と見込まれ、最大震度6弱を記録した大阪府北部地震(M6・1)の4倍のエネルギーに相当する。県内の活断層は中央構造線が有名だが、それ以外の活断層にも災害リスクが潜むことが改めて示され、周辺住民らは危機感を募らせている。

 国の地震調査研究推進本部によると、徳島県央部を横断する上浦―西月ノ宮断層がずれた場合、吉野川南岸流域を中心に断層周辺で震度6強に見舞われる。松茂、北島、藍住各町などでも震度6弱の揺れが予想される。

 この地震の規模M6・5は、7千棟超の建物被害が出た大阪府北部地震を大きく上回り、最大震度7を観測した2016年4月の熊本地震の前震(M6・5)と同程度だ。また、地震調査委が推計した今後30年以内の地震発生確率1・49%は、熊本地震の本震を引き起こした布田川断層の発生確率(最大0・9%)の1・5倍となっている。

 石井町防災士会の岩本光雄会長(74)は「沿岸部や中央構造線周辺と比べると、町民の地震への危機感は低い。活断層が近くにあり、危険があることを知らない人も多いと思うので、一層の啓発を行いたい」と話す。

 活断層に詳しい徳島大の村田明広教授(構造地質学)は「震源が浅ければ、熊本地震のように震度7を観測する所もあるかもしれない。どこに住んでいても今できる備えを確実に進めてほしい」と話した。