森永ヒ素ミルク中毒事件の徳島県内の被害者らでつくる「森永ひ素ミルク中毒の被害者を守る会県本部」は26日、徳島市のふれあい健康館で2015年度総会を開いた。事件発生から60年を迎え、被害者や家族が高齢化していることから相互のつながりを強め、救済事業などを一層進めていくことを確認した。
出席した約30人で犠牲者に黙とうした後、守る会の江口哲生委員長(60)が「被害者は60歳となり、健康を守る取り組みが一層重要になる。事件の風化を防ぎ、食の安全安心も訴えていきたい」とあいさつした。
15年度の活動方針として、救済事業を担うひかり協会と連携し、がん検診の受診を呼び掛けたり健康懇談会などを開いたりして、会員同士の交流を図ることを決めた。
最後に「障害のある被害者はもちろん、1人暮らしが増えている健常な仲間にも元気で暮らせるよう声掛けを続けていく」との総会宣言を採択した。
森永ヒ素ミルク中毒事件は、1955年に石井町の森永乳業徳島工場で生産された粉ミルクにヒ素が混入して起きた。全国で乳児約1万3千人(県内456人)が被害を受け、130人が死亡した。被害者は肢体不自由や知的障害といった重い後遺症に苦しんでいる。
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