24年ぶりに復活しただんじりと、おはやしを奏でる西浦花車保存会のメンバー=牟岐町牟岐浦の牟岐津神社

 牟岐町牟岐浦の牟岐津神社で25日開かれた夏祭りで、約四半世紀ぶりにだんじりとおはやしが復活した。長年、境内の倉庫にしまわれ、その存在すら知らない世代が増えてきたため、少年時代にだんじりを経験した住民有志が地域の文化継承に乗り出した。
 
 だんじりは長さ約4メートル、幅約2・5メートル、高さ約5メートルで、60年以上前から同神社の祭礼で引き回されてきた。しかし、おはやしを奏でる子どもの「打ち子」不足やだんじりの老朽化で、1991年を最後に姿を消していた。
 
 今年2月、地元の伝統文化が途絶えてしまうことに危機感を覚えた30~40代の男性8人が「西浦花車(だんじり)保存会」を結成。いずれも若き日にだんじりに乗ったり、おはやしの打ち子を務めたりした経験者ぞろいだ。だんじりの清掃やタイヤ交換などの応急修理を行い、おはやしの練習を始めた。
 
 夏祭り当日は、保存会メンバーが牟岐津神社に集合。倉庫から24年ぶりに出されただんじりに、ちょうちんやササなどを飾り付けた。大太鼓や小太鼓、鉦(かね)を担当する5人がおはやしを奏でると、大勢の住民らが集まり、昔ながらの祭り気分を堪能した。
 
 だんじりは方向転換に必要なパーツが故障しているため、町中を引き回すことはできなかったが、将来は修復して巡行の復活も目指す。
 
 近くの中村和夫さん(90)は「子どものころはだんじりに乗せてもらって喜んだものだ。懐かしい」とにっこり。牟岐小1年の近藤和君(7)は「僕も太鼓をたたいてみたくなった」と興味を示していた。
 西浦花車保存会の和田原明会長(40)=自営業=は「子どもからお年寄りまで多くの人に喜んでもらえた。来年からは子どもたちにおはやしに加わってもらい、伝統を引き継いでいきたい」と話した。