最新の肝細胞がん治療について話す森根副診療科長=徳島市の徳島大蔵本キャンパス大塚講堂

最新の肝細胞がん治療について話す森根副診療科長=徳島市の徳島大蔵本キャンパス大塚講堂

 専門医が最先端医療を紹介する市民公開講座「徳島大学病院フォーラム2022春」(徳島大学病院主催、徳島新聞社共催)が23日、徳島市の徳島大蔵本キャンパス大塚講堂であり、糖尿病やがんの最新治療法について同病院の医師9人が講演した。

 2部構成で実施し、第1部は糖尿病の専門医5人が登壇した。内分泌・代謝内科の吉田守美子(すみこ)副診療科長は、高齢の糖尿病患者はやせすぎや筋肉量の低下を防ぐため、食事を制限しすぎないことが大切だと指摘。「ライフステージに応じた対策に加え、有酸素運動やバランス運動などを取り入れて」と呼び掛けた。

 がんをテーマにした第2部は4医師が講演した。消化器・移植外科の森根裕二副診療科長は、肝細胞がん切除手術の際に肝臓の構造を3D映像にして投影するなどの技術を紹介。「技術の進化で切除術の安全性は向上している。分子標的薬でがんを小さくしてから切除するコンバージョン手術も増え、根治が期待できるようになった」と述べた。

 新型コロナウイルス感染症対策のため、無観客で行われた。講演は3月末以降、県内のケーブルテレビ各局で放送する。