つるぎ町貞光の中心部で江戸時代末期から昭和にかけて開かれた露店市「九市(くいち)」の63年ぶりの復活を目指し、同町への移住者らが立ち上がった。かつてのにぎわいを取り戻そうと「貞光九市」と名付け、9月から毎月第1土曜日に同町貞光の町指定文化財・旧永井家庄屋屋敷で催す。8月1日にはプレイベントを実施する。
貞光町史によると、「九市」は、文久年間(1861~64年)から戦後の1952年まで、貞光中心部で4、9、12月の9、19、29日の「9」が付く日に開かれた。山間部の農作物や竹細工、木工品などが並び、名物市として知られ、住民の交流の場でもあった。
2011年に静岡県からつるぎ町貞光西浦に移住してきたミュージシャンの上田耕平さん(34)が「九市」の歴史を知り「貞光九市」として復活させることを思い立った。今月、知人らと9人で実行委員会を立ち上げた。
上田さんらは、中心商店街の有志が毎月第1土曜日に軒先に露店を出す「土曜祭」に注目。「9」の付く日でなくても、同時に開けば相乗効果が期待できることから、土曜祭に合わせて開くことにした。
プレイベントには、町内外の約20店舗が出店する。地元の半田そうめん、徳島市のレンコン加工品、手作りガラスのアクセサリー、古着を販売。吉野川市のおやじバンド「カマンベール」など4組が出演するライブステージや、出店者の協賛品が当たるビンゴゲーム大会も開く。
上田さんは「特産品のPRや出店者の交流の機会にもなる。つるぎ町の人たちの生活に根付き、愛される市にしたい」と話している。
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